
以前からランチではよくお世話になっている、ここTEXASだが、お奨めメニューのあるディナーを一度試してみたかったので、連れを誘って食べに行ってみたのだった。

ライトアップにも気合が入っており、なかなか綺麗だ。
いつもながらエクステリアの眺めが楽しい。

店内に入ると、今日はいつにも増して随分と客の入りが多く、とても賑わっていた。
ただしやはり煙草の対策は為されていないようで、独特の臭気に噎せそうになる。
いつも思う事だが、ここら辺だけはかなり人を選ぶだろう。分煙化は金がかかるというし。
ディナーメニューはランチと違い、+500円でサラダ・スープ・ライスの追加を選ぶ。

秋のスープはきのこスープだそうな。
なめこ、しめじ、えのきの入ったオニオンベースのスープは、かつてのミネストローネよりもスープらしさがあって、するすると小気味良く喉を通る。気分的なものもあるだろうが、そこらのスープバーでは出せない濃厚で質の良い味わい。サラダもシャキシャキ感が素晴らしい。
んで、メインディッシュのテキサス・フライド・ステーキ ¥1600
テキサスの一般的な家庭料理だそうだが、あっちの連中は普段からこんな豪勢なもんを食ってるのかねー。

常備のソースは用いず、掛けられている…なんだろうこれ、カルボナーラみたいなソースだけで食べるそうな。
一口切り分けて食べてみるが……う、うあああ。一発目の感想が、「すごいなこれ……。」である。初めて食べた方は、ステーキともハンバーグともまるで違う触感にまず驚くだろう。100%ビーフをかなり粗くミンチにし、小麦粉で捏ねてさらっとフライしたステーキと言うが、その製法を聞かなければ不思議な触感と風味に目を白黒させるばかりだ。ハンバーグとは全く違って、かなり肉の繊維の残った身は、ナイフで切ろうとしただけでふわふわと崩れる繊細さ。口に入れるとふわーっと広がって、肉汁のかなり少ない独特の香ばしい芳香と、チーズベースらしきソースの絡みが絶妙である。
連れと「なんだこれなんだこれ美味い美味い」と一心不乱に食っている最中。カウボーイルックに身を固めた、昔のまだ痩せていない頃のパパイヤ鈴木みたいな風体の店員さんが「どうですか?」と、もんのすごいドヤ顔で親しげに語りかけて来る始末。俺らのような匹夫はアホ面晒してひれ伏して「う、うまいです……」と声を絞り出すのがやっとだった。
おすすめメニューと自信を持つだけあって、流石にランチとは別格の美味しさだった。TEXASに来るならば、このメニューは一度だけでも味わっておいた方が身の為だろう。値の張るメニューだが、それだけの価値は確実にある。
